Tarot Deck Details
シェルダンダグラスタロットの歴史
1972年に発売されたデビット・シェリダンの復刻版のデッキです。このデッキの最初はタロットデッキではなく、アルフレッド・ダグラスの著書「タロット:アルフレッド・ダグラスのカードの起源、意味、使用法」として発行、のちにタロットデッキが制作されました。
アルフレッド・ダグラスは1930年代から1960年代頃までトートタロットの創始者アレイスター・クローリーと共に活動しており、マデリーン・モンタルバン(英国の黄金の夜明け団に触発された魔術師)より教育を受け、このタロットデッキの構想、研究を続けました。
研究途中で彼は、ある占星術師の息子でデザイナーのデビット・シェリダンと接触します。デビット・シェリダンは才能豊かなデザイナーでした。その後、アルフレッド・ダグラスがタロットの著書を発行する際にデビット・シェルダンが白黒でカードデザインを作成、のちに色付けされカードデッキとして印刷されました。
このカードはすぐに人気が出て長い間売れ続けました。ヨーロッパ各地、北米、日本でも販売されていたそうです。
しかし1980年代初頭にデッキは販売されなくなり、ロンドン中心のオカルトショップからは「伝説のパック」としてコレクターからの人気を集めることになります。
その後、この素晴らしいデッキは2006年にシェリダンダグラスプレスより復刻版として、一部修正を施して、発売されることとなりました。
シェルダンダグラスタロットの特徴
このタロットカードの大アルカナは伝統的なマルセイユタロットの順番に従って作成されています。(正義はⅧ、力はⅪ)
また伝統的なタイトルも使用されていてPapess(大祭司)、Hierophant(教皇)、Fortitude(不屈の精神)となっています。
しかし、タロットカード自体は限りなくライダーウェイトタロットに忠実な、もしくは近い表現がされている不思議なタロットです。その理由は黄金の夜明け団の教えが影響している為だと思われます。
カードのデザインは鮮やかな原色使いでシンプルなデザイン。どこかヨーロッパの伝統的タロットカードも感じさせるデザインが描かれています。
お気にりのカード[0 愚者]のカード
このシェルダンダグラスタロットカードデッキを最初に目にした時に、この一枚を見てこのタロットが欲しいと思いました。
ライダー版の愚者をこんなに別のデフォルメにして、カラーリングも新鮮で、無駄のないデザインに凄く惹かれました。
カード全体の雰囲気もそうなのですが、この愚者もライダー版の愚者に比べると、少し緩めのやる気のない感じです。(それが良いのですけどね。)
愚者のカードはフールズジャーニー(愚者の旅)が始まる重要なカードになります。
本来なら、希望溢れるキラキラした旅の始まり、のはずなのですが、シェリダンダグラスタロットの愚者からは、あまり感じられません。それよりも崖から落ちそうになっているのを、犬が止めてくれようとしているのにも見えます。
旅はいつだって予期せぬことの連続です。そして誰もが旅に出たくて出ているとも限りません。
実際の始まりはこの愚者のように、「じゃあちょっと行ってくるね」くらいの軽い感じなのかもしれませんね。
シェルダンダグラスタロットの使用感
カード自体は高品質なコーティングカードで、リーディングのシャッフルにも充分耐えられる仕様になっています。
ただコーティングカードのわりには若干滑りが悪く、シャッフルがし難いと感じる可能性があります。
全てのタロットカードにスートに沿ったデザインが描かれています。ライダーウェイトとはまた違った解釈や発見をするのも楽しみの一つかもしれません。何よりもこのカードはシンプルなデザインの中に力が込められているような、強い印象のデッキだと思います。
類似品、海賊版について
類似品や海賊版については、オークションサイト、フリマアプリなどで今のところ確認出来ていません。
しかし、発行元のSheridan Douglas Pressは注意喚起をWeb上でアナウンスしていますので注意しましょう。
参考→Sheridan Douglas Press海賊版注意アナウンスPDF(全文英語)
総評
★★★★★
本当は教えたくない隠れた名作デッキ他の様々なタロットカードとは一線をおいた、洗練されたデザインとカラーリングが良いです。カードの各シーンも解釈の余地があるデザインで、その独特の世界観も相まってオカルト界隈から支持を集めたのも納得する名作。タロットカードコレクターの人にも是非オススメしたいデッキです。
【オススメ!!】Tarot Storage Store でDeckをみる
Tarot Deck Details
Sheridan Douglas Tarot(シェルダンダグラスタロット)に似ているデッキ
オススメのレビュー記事